江戸期、水戸黄門として知られる徳川光圀公と深い交流があった心越禅師は、
日本に篆刻や琴楽を伝え、当時の日本文化に大きな影響を与えた人物です。
平安時代以降はすっかり途絶えてしまっていた古琴でしたが、禅師の影響により再興に至り、その功績から中興の祖と称えられています。
今年2015年は、心越禅師が逝去されてから320回忌にあたり、生前、禅師の活動の中心であった
茨城県(曹洞宗祇園寺、水戸市)と東京都(大田区)において、古琴演奏会を主とする文化交流会を
開催いたしました。
開催にあたり、関係者の皆様から多大なるご協力をいただきましたことを、
厚く御礼申し上げます。
演奏会には、中国で活躍する名士が多く集い、日本ではなかなかお目にかかれない独特の演奏術を披露して、
お客様の目と耳を釘づけにしておりました。
彼らの奏でる音色を聴きながら、会場にいた多くの人たちが禅師を偲ばれたことと思います。
本イベントは、禅師への最高の法要になりました。
現在、古琴の魅力を多くの方に知っていただこうと、日夜、普及活動に努めておりますが、
このイベントを通して、改めて文化交流の大切さが身に染みた気がいたします。
今後も、伝統藝術文化交流の場を通して、やがては禅師の時代のように古琴が広く知られ、多くの琴士が輩出されれば、と願っております。
会場に飾られた展示品の数々
今後も、皆様のご支援、ご声援をどうぞ宜しくお願いいたします。
東京聴風琴社 代表 高 欲生