こほうとうちょううーろん
台湾省 南投縣鹿谷郷
台湾茶の中でも、特に人気の高い凍頂烏龍茶。中国茶通に評判の当店オリジナル「古方焙煎」をぜひ一度お試しください。
さわやかな甘みと、コクのある飲み応えが、バランスよく備わっています。
ビタミンCやポリフェノールを含み、「美肌を作る」として知られるお茶です。便秘の改善によいといわれ、また、抗アレルギー効果にもすぐれています。
私が凍頂烏龍茶が美味しいなと思うのは、立ち上がってくるほっこりとした甘さが、喉の奥を通り抜ける時に、クリアで美味しい水を飲んだ時のように喉を潤していく、その喉越しを感じた時です。凄く美味しい紅茶を飲んだ時に似た味わいで、しっとりと喉を洗うように通り過ぎていく、その感じが、美味しい凍頂烏龍茶にはあると思うのです。
その手の美味しさは、ある程度はしっかりと発酵・焙煎した茶葉でないと味わえないようで、生茶に近いものだと、例えそれが美味しいお茶だとしても、凍頂烏龍茶としては物足りないな、と思ってしまいます。
春風秋月の「凍頂烏龍茶」は、焙煎も発酵も中くらいだから、生サイドも高発酵サイドも、焙煎好きも焙煎嫌いも、どちらも楽しく味わえるお茶になっています。しかも、上記の私が考える凍頂烏龍の美味しさの条件はしっかりとクリアしています。
話によると、元々、凍頂烏龍茶というのは、しっかり発酵させ、きちんと焙煎したものだったそうです。その後、高山茶ブームに乗って生に近いお茶が人気になって、それを受けて、爽やかで花の香りがする凍頂烏龍茶が作られるようになったということです。もちろん、この花香の強い爽やかなお茶の方が好きという人もいると思います。ただ、そのタイプだと、味も香りも際立っていて、その際立っている分、飲んでいると飽きる味わいになっていると思うのです(一口飲むには凄く美味しいのですが)。
その点、古い凍頂烏龍茶のスタイルを継承する、この「凍頂烏龍茶」は、飽きずにいつまでも「美味しいなあ」と思いながら飲める味と香りとコクのバランスの良さが身上のお茶になっています。ナチュラルで素朴な甘味が気持ち良いのです。しかも、しっかりと焙煎されているせいか、食事と一緒に飲んでも凄く美味しいのです(すき焼きなどの鍋物との相性は抜群です)。
生活の中に、こういう、いつ飲んでもほっこりと出来るお茶があると気持ちに余裕が出来るような気がするのです。しかも、価格がリーズナブルで、好き嫌いの少ない味わいだから、お客様に出すのにも最適。そして、このお茶、かなり適当に淹れても、ちゃんと美味しく入るのです。常備しておいて、いつまでも大事に飲み続けたい、カジュアルにもフォーマルにも楽しめるお茶と言えるのではないでしょうか。ほんと、あると嬉しいお茶です。